おうちの満足度は物の収納のしやすさ、取り出しやすさに大きく左右されます。上手な収納計画には、おさえておくべき考え方の基本があります。今回は収納を検討する際に役立つポイントなどをお伝えします。

■「良い収納」とは、使ったものをもとに戻すができる収納
「必要に応じて取り出し、出番を終えたらしまう」。このスムーズな動線が、すっきりと片付いた住空間につながる理想的な動きです。ところが、「本棚が使いにくい」=収納の使い勝手が良くない、「本棚に空きスペースがない」=物がいっぱいで入らない、「本棚が読書場所から離れたところにある」=必要な場所に必要な収納がない、といった状況になると、たちまち部屋は散らかり始めます。収納の基本は、「使った物を元に戻す」こと。つまり片付けやすい「良い収納」とは、「使った物をもとに戻す」が自然にできる収納と言えるでしょう。
■良い収納のキーポイント1:「取り出しやすさ」と「しまいやすさ」
「良い収納」に必要な一つめのキーポイント、それは「取り出しやすさ」と「しまいやすさ」です。物や道具の使用頻度に応じて「オープン収納」と「クローズド収納」を使い分けることで「良い収納」を実現できます。
●使用頻度の高いもの→「オープン収納」を活用
日常的によく使うものは「オープン収納」を活用するのがおすすめ。「オープン収納」の特徴は何よりも「取り出しやすくて、しまいやすい」こと。例えばキッチンバサミが目の前のフックに掛かっていたり、菜箸などと一緒にツールスタンドに入っていると、料理中でも素早く使って戻せます。「置き場所・戻す場所が一目瞭然」ということも収納ではとても重要です。ただしオープンな分、汚れやホコリが付きやすく、見た目が煩雑になりがちなので、見え方が気になる場合は、置くものや道具の色・テイストをそろえたり、人の目につきにくい置き場所を検討したりして工夫すると良いでしょう。
●使用頻度の低いもの→「クローズド収納」を活用
キッチンバサミの定位置が戸棚や引き出しの中の場合、取り出すには扉や引き出しを開ける必要があり、しまうときにも同じ動作をします。扉を開ける+閉める=2アクション。道具を取り出すために必要なこの「アクション数」が多いほど物の出し入れは面倒になりやすく、場合によっては片付の習慣のハードルにもなります。またクローズド収納は、物や道具が外から見えないため、物の居場所や量・数が把握しにくいという片付け面のデメリットがあります。一方でメリットは、物や道具がホコリや汚れにさらされにくく、収納の仕上りが少し煩雑でも隠せること。クローズド収納は「使用頻度はあまり高くないもの」の収納に向いています。ただ「片付けが苦手で、とにかく外から中が見えないようにしたい」という方もいるでしょう。その場合は、アクションをできるだけ少なく容易にする収納計画が「良い収納」のキーポイントとなります。
■良い収納のキーポイント2:場所や物に合った寸法
●奥行き:実はこれが使いやすさの要!
収納の場所や入れておきたい物に合った寸法も「良い収納」にするために特に重要なのは「奥行き」です。「高さ」は可動棚にすれば融通がききますし「幅」は家の間取りと位置関係からある程度決まってきます。ですが「奥行き」はプランニング時にそれなりに自由度があり、収納としての使い勝手にもかなり影響が出ます。
◆収納計画に役立つ、造作棚の奥行寸法の目安
・寝具、節句飾りなど→奥行き75~80㎝
・衣類(ハンガー)、洋服ダンス、スーツケースなど→奥行き55~60㎝
・衣類(畳んだもの)、タオルなど→奥行き45㎝
・食器、調理器具など→奥行き40cm
・靴、サンダルなど→奥行き35㎝
・書籍、雑誌、書類など→奥行き30㎝
●高さ:「無理せず手が届く範囲」が基本
◆引き出しが使えるのは床から120㎝程度
引き出しが高い位置にあると、中に入っているものが見えません。身長にもよりますが、引き出しを使う場合は「床から120㎝くらい」の範囲にとどめましょう。120㎝より上部は棚板にするのが一般的。収納するものの高さに合わせて棚板の位置を調整できる可動棚にすると収納力がアップします。
◆重いものを置く高さは「腰高」が目安
重いものや大きな物は「腰の高さ」くらいに置きましょう。低いところにあると、かがむ必要がある分、持ち上げるときに腰に負担がかかります。あまり高いところに置くと、物を下ろすときも、地震のときも危険です。


